アフリカに多い3色の国旗

アフリカの国旗には緑、黄色、赤の3色を使ったデザインの国旗がとても多いのです。


エチオピアの国旗 1996年採択

ガーナの国旗 1957年採択

セネガルの国旗 1960年採択

カメルーンの国旗 1975年採択

ベナンの国旗 1959年採択

これは1960年前後、アフリカに多くの国ができたとき、いつの日にか1つの国になろうという理想に燃え、その時までは、近代のアフリカでずっと独立国だったエチオピアの国旗の3つの色、緑、黄色、赤の3色を基本にした国旗にしようという思いが、当時の政治指導者たちにあったからです。

エチオピアではメネリク2世(1849~1913)の時代からこの三色旗が用いられ、最後の皇帝であるハイレ・セラシエ(1892~1975、皇帝としての在位は1930~1974)の時代には同じデザインで中央にライオンを描いた国旗を使っていました。メネリク2世は近代エチオピア国家を創建した人であり、ハイレ・セラシエは全アフリカ統一の象徴とされた人ですが、最後は、国民が食べ物がなくて困っていた時に、ペットであるライオンに肉を食べさせているところや、金銭的不正が見つかるなど、かんばしくないウワサの中で軍のクーデタで追放されました。


エチオピアの国王メネリク2世(1849~1913)

現在はその代わりに「ソロモンの星」のマークを付けたものになっています。エチオピアの言い伝えでは、王家も国民もソロモンとシバの女王の子孫だということです。二人とも『旧約聖書』にも登場しています。ソロモンは今から3000年ほど前の古代イスラエルの王様で、シバの女王は古代エシバ王国の女王。シバ王国は今のエチオピアのあたりがイエメン付近にあったという2つの説があります。エチオピ説では、ソロモン王とシバ女王の間に生まれた子がエチオピア帝国を開いたメネリク1世であるということですが、学問的な証拠は見つかっていません。

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